HbA1c を指摘されたら — 糖尿病専門外来での初診の流れ

石田 和也 院長
院長石田 和也

八丁堀3丁目クリニックの糖尿病専門外来には、健康診断で「HbA1c が高い」「血糖値が高い」と指摘された方が、週に何人もお越しになります。この記事では、初めての方向けに、糖尿病専門外来の初診で何を行い、何を決めていくのかをご紹介します。

HbA1c とは何か

HbA1c (ヘモグロビン A1c) は、過去 1〜2 か月間の平均血糖値を反映する検査値です。食事の直前・直後で大きく変動する通常の血糖値と違い、採血のタイミングに影響されない安定した指標として広く用いられています。

一般的な基準値は以下の通りです。

HbA1c (%)判定解釈
〜 5.5正常心配なし
5.6 〜 5.9正常高値生活習慣改善を意識
6.0 〜 6.4境界型 (糖尿病予備群)医療機関での精査を推奨
6.5 以上糖尿病型医療機関での診断・治療開始を強く推奨

健康診断で 6.5% 以上を指摘された場合は、早めのご相談をお勧めします。一方、境界型 (6.0〜6.4) の方も、将来の糖尿病進行リスクがあるため、一度は医療機関で評価を受けていただくのが安心です。

初診でお持ちいただきたいもの

初診をスムーズに進めるため、以下をご持参ください。

  • 健康診断の結果票 (原本またはコピー): 過去 2〜3 年分あるとなお良い。HbA1c・血糖値・脂質・肝機能・腎機能も見ます
  • マイナンバーカード (マイナ保険証) または資格確認書
  • 家族歴のメモ: 糖尿病は遺伝的要因が大きいため、両親・兄弟の糖尿病の有無を教えてください
  • 現在服用中のお薬があればお薬手帳
  • 普段の食事・運動習慣を振り返るメモ (任意ですが参考になります)

初診で行うこと

八丁堀3丁目クリニックの糖尿病専門外来での初診は、おおよそ 30〜45 分を見込んでいます。流れは以下の通りです。

ステップ 1: 詳しい問診 (15〜20 分)

以下のような内容を伺います。

  • 健診で指摘された数値と、過去の経過
  • 食生活 (朝食の有無、外食頻度、間食、夕食時間など)
  • 運動習慣
  • 家族の糖尿病・高血圧・心臓病の有無
  • 現在の体重・体重の変化
  • 仕事の状況 (通院可能頻度の判断に重要)
  • 気になる症状 (のどの渇き、頻尿、倦怠感、体重減少など)

特に仕事の状況を伺うのは、治療方針を「その方が続けられるか」の観点で組み立てるためです。毎月の通院が難しいビジネスパーソンには、オンライン診療を組み合わせた通院計画を最初から提案します。

ステップ 2: 検査 (10〜15 分)

初診時に行う検査は以下が標準です。

  • 血液検査 (HbA1c 院内測定 / 血糖 / 脂質 / 腎機能 / 肝機能 / 甲状腺機能)
  • 尿検査 (尿糖・尿蛋白・尿ケトン体)
  • 血圧測定
  • 身体計測 (身長・体重・腹囲)
  • 必要に応じて心電図 (虚血性心疾患の合併チェック)

HbA1c は院内で即日測定しており、結果を見ながら治療方針のご相談に入れます。

ステップ 3: 診断と治療方針のご提案 (10〜15 分)

検査結果をもとに、以下を一緒に決めていきます。

  • 糖尿病の診断確定: 糖尿病型・境界型・正常型のいずれか
  • 合併症リスクの評価: 腎症・網膜症・神経障害のチェック計画
  • 初期治療方針:
    • 生活習慣改善のみで経過観察するのか
    • 薬物療法を開始するのか (どの薬を、どの量で)
    • インスリン療法が必要か (稀ですが検討が必要な場合も)
  • 通院頻度: 月 1 回 / 2 か月に 1 回 / 3 か月に 1 回のいずれか
  • 栄養指導の必要性: ご希望があれば栄養士紹介のご案内
  • 眼科受診のご案内: 網膜症評価のため年 1 回の眼科受診を推奨

初診で治療薬を開始する場合は、原則少量から始めて、次回の診察で効果を見ながら調整する方針を取ります。いきなり最大量を処方することはありません。

治療を続ける上で大切なこと

糖尿病治療は長期戦です。一度始めたら生涯にわたって付き合っていく治療になることが多く、だからこそ「自分のペースで続けられる」治療方針の設計が重要です。

八丁堀3丁目クリニックで特に大切にしていることは、以下の 3 点です。

  1. 無理のない目標設定: HbA1c の目標値は一律ではなく、年齢・合併症の有無・低血糖リスクを踏まえて個別設定します
  2. 通院負担の最小化: オンライン診療・Web 予約・院内即日検査の組み合わせで、仕事を続けながら無理なく通院できる体制を整えています
  3. 合併症の定期チェック: 糖尿病は合併症を予防することこそが治療の目的。腎症・網膜症・神経障害・心血管イベントのリスクを年 1 回は必ず評価します

こんな方に糖尿病専門外来をお勧めしています

  • 健康診断で初めて HbA1c・血糖値の異常を指摘された方
  • 境界型糖尿病と言われ、どう対応すべきか悩んでいる方
  • すでに糖尿病で治療中だが、通院頻度・治療方針を再検討したい方
  • 出張の多い仕事をしており、柔軟な通院体制を希望する方
  • ご家族に糖尿病があり、自分も将来リスクを知りたい方

ご相談は Web 予約から「糖尿病内科」をお選びいただくと、初診枠でのご予約がスムーズです。

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監修: 神野 晃介(副院長)