八丁堀3丁目クリニックを承継した理由 — 地域医療を未来につなぐ

石田 和也 院長
院長石田 和也

八丁堀3丁目クリニックの院長を務める、石田和也と申します。2022 年にこのクリニックを承継して開業し、医療法人社団 医承会を設立しました。このページでは、なぜ新規開業ではなく承継を選んだのか、そしてこの場所でどのような医療を目指しているのかを、お話しさせてください。

医師としての歩み

私は 2016 年に京都大学医学部を卒業し、東京女子医科大学病院で初期臨床研修を経て、2018 年から高血圧・内分泌内科を専門に学んできました。その後、JCHO 東京山手メディカルセンターで糖尿病・内分泌内科の臨床経験を積み、再び東京女子医科大学病院に戻って内分泌疾患の専門診療に従事しました。

大学病院時代に多く診てきたのは、高血圧・糖尿病・甲状腺疾患を中心とした生活習慣病と内分泌疾患でした。こうした疾患は、診断と治療方針の決定が一度で終わるものではなく、患者さんと長い時間をかけて、一緒に治療を作り上げていく領域です。

そして多くの患者さんを診てきた中で、「大学病院よりも、地域のかかりつけ医として継続的に関われる場のほうが、自分の診療スタイルに合っているのではないか」と感じるようになりました。

なぜ新規開業ではなく承継だったのか

医師が独立して開業する際、多くの場合は「新規開業」を選択します。新しい土地で、新しい建物で、新しいブランドで。その選択肢を検討しなかったわけではありません。

しかし、私が選んだのは「承継開業」という道でした。

理由はいくつかありますが、最も大きかったのは、日本全体で「閉院するクリニック」が急速に増えているという事実を知ったことです。地域の医療を何十年も支えてきたクリニックの院長先生が高齢化し、後継者不在で閉院を余儀なくされるケースが、都市部でも地方でも増え続けています。

閉院が起きると何が失われるかというと、通い慣れた患者さんと医療機関の継続的な関係です。長年診てもらってきたクリニックが急になくなり、新しい医療機関を探すのは、特に高齢の方にとっては大きな負担です。カルテ情報の引き継ぎも、紹介状を書いていただけない場合は自己申告に頼ることになります。

一方で、建物・スタッフ・患者さんとの関係性がすでにそこにある場所を承継できれば、「失われるはずだった医療」を次の世代が受け継ぐことができる——これが承継開業の最大の意義だと考えました。

「医承会」という名前に込めた意味

設立した医療法人の名前を「医承会」としたのも、この考えから来ています。「医を承け継ぐ」という字義通り、これまでの医療を受け継ぎ、次の世代につなぐことを法人のミッションに据えました。

八丁堀3丁目クリニックは私が承継した 1 号院で、その後に日下診療所 (荒川区南千住) をはじめとする複数のクリニックを承継運営し、グループは 5 院体制になりました。いずれも「閉院を避けたい」と願う前任の院長先生から、責任を持ってバトンを受け取る形で始まっています。

八丁堀という場所で目指す医療

八丁堀という街は、オフィスビルと住宅が混在する、中央区らしい多様性のある地域です。平日はオフィスワーカーの方が健康相談に来られ、土曜日や夜間は近隣にお住まいのご家族・ご高齢の方が来院されます。

この多様な患者層に対して、私が目指しているのは、「一人ひとりのライフスタイルに合わせた、長く続けられる医療」です。

  • 忙しいビジネスパーソンには、オンライン診療や Web 予約を活用した通院負担の軽減
  • 糖尿病・高血圧などの慢性疾患には、専門外来で腰を据えた長期管理
  • 睡眠時無呼吸症候群 (SAS) には、CPAP オンライン診療を含む柔軟な通院体制
  • 小児科では、かかりつけ医として成長を見守る関係性

こうした診療を、副院長の神野晃介医師(糖尿病・内分泌代謝専門医、東京大学医学部卒)とともに提供しています。神野副院長は内分泌領域での専門研修を経た内科医として、生活習慣病の長期管理を中心に担当しています。

地域医療を未来につなぐために

医承会グループの目指す姿は、たった一つのクリニックが繁盛することではありません。閉院の危機にあるクリニックを一つでも多く救い、通い慣れた患者さんと医療機関の関係を途切れさせないことが、医承会の目指す地域医療の姿です。

そして、承継したクリニックが「前よりも良くなった」と患者さんに感じていただけるよう、診療体制・設備・オンライン対応を継続的にアップデートしています。

八丁堀3丁目クリニックに初めていらっしゃる方も、長年通っていただいている方も、どうぞお気軽にご相談ください。

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執筆: 石田 和也(院長)