CPAP オンライン診療とは — 2024 年制度化で変わった通院の選択肢

石田 和也 院長
院長石田 和也

睡眠時無呼吸症候群 (SAS) の CPAP 療法を続けている方から、「出張が多くて毎月通院するのが大変」「引っ越したが、CPAP 導入を受けたクリニックから遠くなってしまった」というご相談を、八丁堀3丁目クリニックでも頻繁にいただきます。2024 年のオンライン診療制度改定により、こうした方への選択肢が大きく広がりました。

この記事では、CPAP オンライン診療の制度的な位置づけと、八丁堀3丁目クリニックでの実際の運用をご紹介します。

2024 年の制度改定で何が変わったのか

日本のオンライン診療は、2020 年の COVID-19 流行を契機に急速に制度整備が進みました。2022 年の診療報酬改定、そして 2024 年の改定で、CPAP 療法を含む SAS 診療の継続管理においてもオンライン診療の位置づけが明確になりました。

主なポイントは以下の 3 点です。

  1. 情報通信機器を用いた在宅療養指導管理料が拡充され、CPAP を含む在宅医療機器の管理もオンラインで実施可能に
  2. 初診でもオンライン診療が可能(ただし初診で CPAP 導入までを完結させることは推奨されない)
  3. D/C 検査(簡易検査や在宅 PSG)は機器の貸し出しさえできれば、問診はオンラインで対応可能

重要なのは、「完全にオンラインだけで CPAP 療法を続けられる」わけではなく、対面診療とオンライン診療を組み合わせた柔軟な運用が認められたという点です。

八丁堀3丁目クリニックの標準モデル

CPAP オンライン診療を希望される方には、以下のスケジュールを標準的にご提案しています。

タイミング内容形式
初診症状評価・診察・検査計画対面
検査簡易検査(スクリーニング)または在宅 PSG自宅 + 機器貸し出し
結果説明診断確定・CPAP 導入判断対面
CPAP 導入機器フィッティング・使用方法指導対面
導入後 1 か月初期調整・問題点の確認対面
2 か月目以降継続管理(使用データ確認・処方)オンライン(月 1 回)
年 1 回体重・血圧・合併症の評価対面

このモデルにより、月 1 回の通院が年 1 回の対面通院+オンライン診療に置き換えられます。生活への影響が大きく軽減されます。

CPAP オンライン診療が向いている方

以下のような方に、特にメリットが大きくなります。

1. 出張・単身赴任が多いビジネスパーソン

中央区八丁堀という立地柄、出張の多いビジネスパーソンから多くご相談をいただきます。CPAP 導入後の継続管理を、出張先からでも受けられるのは大きなメリットです。

2. 引っ越しなどで遠方に転居された方

CPAP 導入クリニックから遠方に引っ越された方は、近隣で新たに CPAP 対応クリニックを探すことになりますが、紹介状持参で八丁堀3丁目クリニックに切り替え、以降はオンラインで継続という選択肢もあります。

3. 通院時間の確保が難しい方

夜勤・早朝勤務・育児などで日中の通院が難しい方にも、CPAP の継続管理はオンラインのほうが現実的です。

4. CPAP 機器トラブルで緊急相談が必要な方

機器の調子がおかしい、マスクが合わない、といった相談もオンラインで素早く対応できます。必要に応じて機器業者との連携もサポートします。

向いていない場合・注意点

一方、以下のような場合はオンライン診療だけで完結させることが難しく、対面診療をお勧めします。

  • CPAP 導入前の初回診療: 血圧・心臓の評価、体格の確認など、対面で行うべき評価があります
  • 新規の強い症状がある場合: 胸痛・激しい頭痛・極度の日中眠気など、身体診察が必要な症状
  • CPAP の使用継続に問題がある方: マスクフィット不良・圧力調整が必要な場合は、対面+機器業者との調整が必要
  • 保険適用の条件を満たしているかの初回確認: 2026 年 6 月以降の保険適用基準(簡易検査 AHI ≥ 30、PSG AHI ≥ 15)の判定は、慎重な対面評価が必要

オンライン診療で確認するポイント

CPAP オンライン診療では、事前に以下のデータを共有していただきます。

  • CPAP 機器のクラウドデータ (使用時間・AHI・マスクリーク など)
  • 最近 1 か月の日中眠気・いびき・睡眠の質の変化
  • 体重の変化 (体重変動は CPAP 圧設定に影響します)
  • 血圧記録 (SAS は高血圧合併率が高いため)

これらを 15〜20 分の診療時間で評価し、必要に応じて処方内容を調整します。

保険適用と費用

CPAP オンライン診療も、対面診療と同じく保険適用です。3 割負担の場合、月 1 回のオンライン診療+機器レンタル費用で月 4,500〜5,500 円前後が一般的な目安です(情報通信機器による診療の加算を含む)。

対面診療に比べて若干高くなりますが、通院時間・交通費を考慮すると、多くの方にとってメリットが上回ります。

初めて SAS が疑われる方へ

健康診断で「いびきが大きい」「日中の眠気が強い」と指摘された方や、ご家族から睡眠中の無呼吸を指摘された方は、まず一度対面でのご相談をお勧めします。初回の問診と検査計画はオンラインだけでは完結させづらいためです。

八丁堀3丁目クリニックでは、簡易検査・在宅 PSG・CPAP 導入までの一連の流れを院内で完結できる体制を整えています。初回対面のご予約から、以降のオンライン診療までの切り替えを、スムーズにサポートします。

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執筆: 石田 和也(院長)