高血圧の減塩、外食・コンビニでは?昼食の選び方と食べ方の工夫

「血圧が高いと言われたけれど、昼食はいつも外食」「コンビニでは何を選べばよいのか分からない」。仕事の都合で食事の取り方を大きく変えにくい方もいるでしょう。

外食や弁当を利用するときは、料理名だけで決めず、食塩相当量の表示や、汁・たれ・調味料の使い方を確認することから始めてみましょう。この記事では、昼食を選ぶときと食べるときにできる減塩の工夫を整理します。腎臓病などで食事の指示を受けている方は、その内容を優先してください。

突然の激しい頭痛、強い胸の痛み、急な息苦しさ、ろれつが回らない、片側の手足に力が入らないなどの症状がある場合は、食事の見直しやWeb予約を待たず、119番で救急車を要請してください。

昼食の減塩で、まず確認したい1日の目標

高血圧の食事管理では、1日にとる食塩の量を6g未満にすることが目標とされています。ここでいう量は、食品や調味料に含まれる食塩を合わせたものです。別に使うしょうゆやドレッシング、汁物なども関わります。個別に食事の指示を受けている場合は、担当医に確認しながら進めてください。

昼食に気を付けていても、朝食や夕食、間食でとる食塩を含めて考える必要があります。「この弁当なら誰でも大丈夫」「昼食だけ決まった数字以内ならよい」と一律に決めることはできません。

まずは、普段よく利用する店や商品の表示を見て、どこから食塩を多くとっているかを知ることが出発点になります。食塩だけを減らそうとして食事を抜いたり、必要な食事量を自己判断で大きく減らしたりせず、食事全体のバランスも考えましょう。

買う前に食塩相当量と表示単位を確認する

コンビニの弁当やおにぎり、総菜などでは、パッケージの「栄養成分表示」が手がかりになります。見る順番は、次の3点です。

1.食塩相当量が何gかを見る

エネルギーが低いことと、食塩が少ないことは同じではありません。カロリーの数字だけで選ばず、「食塩相当量」の欄も確認しましょう。「野菜入り」「和風」といった商品名だけでも、食塩量は判断できません。

2.何当たりの数字かを見る

表示は「1包装当たり」「1食当たり」「100g当たり」など、商品によって異なります。数字だけを並べず、実際にどれだけ食べるかと合わせて確認します。

例えば「100g当たりの食塩相当量0.8g」と表示された食品を150g食べる場合、計算上の食塩相当量は0.8×1.5=1.2gです。これは表示の読み方を説明するための架空の例で、特定の商品や食事量を勧めるものではありません。

3.一緒に食べるものも含める

弁当だけでなく、追加するスープや総菜、調味料なども確認します。おにぎりやサンドイッチを複数選ぶ場合は、1個ずつの表示だけでなく、組み合わせた全体を見ましょう。

別添のたれやドレッシングを含むセットでは、全体の食塩相当量と、内訳が表示されていればその数字を確認しましょう。たれだけを半分残しても、弁当全体の食塩相当量が半分になるわけではありません。内訳がない場合は、残した分の食塩相当量を表示だけから正確に計算することはできません。

外食で見直す、汁・たれ・追加調味料

栄養成分表示があれば、選ぶ前に比べる

店頭や公式メニューに食塩相当量が示されている場合は、注文を決める手がかりにします。店や料理によって量・味付けが違うため、「定食なら低塩」「焼き魚なら塩分が少ない」と、料理の種類だけで決めないことが大切です。

表示が見つからない場合は、正確な食塩量を想像だけで決めず、次のような食べ方の工夫から考えましょう。

  • 麺類のスープや汁物は飲み干さない。
  • しょうゆやソースは、味を確かめる前に足さない。
  • 別添のたれやドレッシングは、一度に全部使わず、必要な量を考える。
  • 漬物など、味の濃い付け合わせを習慣的に追加していないか振り返る。

麺にも具にも食塩が含まれるため、汁を残せば食塩がなくなるわけではありません。汁をどれくらい飲んだかを意識することは、普段の食べ方を見直す手がかりになります。

野菜のおかずも、味付けと一緒に考える

主食・主菜・副菜の組み合わせを考えることは、栄養の偏りを防ぐ基本です。ただし、野菜料理にも、調味料やドレッシング由来の食塩が含まれます。サラダや小鉢を足したことだけで、すでに食べた食塩が相殺されるわけではありません。

腎臓病などでカリウムや食事量の制限を受けている方は、自己判断で野菜・果物を増やさず、担当医の指示に従ってください。

コンビニ・弁当は、組み合わせ全体で選ぶ

忙しいときは、いつも同じ商品を選びがちです。毎回すべてを計算することが難しくても、よく買う昼食の表示を一度確認しておくと、次に選ぶときの比較材料になります。

よくある選び方買う前・食べるときに確認すること
弁当にスープを追加する弁当とスープの両方の表示を確認する。汁物を付けることが習慣になっていないか振り返る。
おにぎりやサンドイッチを複数選ぶ1個の食塩相当量と、食べる個数を確認する。主菜・副菜の組み合わせも考える。
総菜をいくつか組み合わせる各商品の食塩相当量を確認し、味付けの濃いものが重なっていないかを見る。
サラダやカット野菜を選ぶドレッシングなどの表示と使用量も確認する。腎機能などに応じた食事の指示は優先する。
麺類やスープ付きの商品を選ぶめん・具・スープの内訳表示があれば確認する。汁を残しても食塩がゼロになるとは考えない。

この表は、特定の組み合わせを全員に勧める献立ではありません。必要な食事量や配慮する点は、体格、年齢、持病、治療内容などで異なります。

食塩だけを見て主食やおかずを極端に減らすより、普段の選び方の中で比較できる商品があるか、追加する汁物や調味料を見直せるかを考えてみましょう。

仕事中も続けられる変更を一つ選ぶ

最初から毎日の食事を大きく変える必要はありません。例えば「いつも買う弁当の表示を確認する」「追加のしょうゆをかける前に味を見る」「麺の汁を飲み干さない」など、実行しやすい変更から始めます。

食塩相当量が分かる商品では表示を、外食では料理や汁・調味料の取り方を、分かる範囲でメモしてみましょう。できなかった日も消さずに残しておくと、「仕事中は選べる店が少ない」「空腹でつい追加してしまう」といった困る場面を相談しやすくなります。

無理に細かな記録を完成させる必要はありません。食事の写真や、よく買う商品の表示が手元にあれば、普段の食事を伝える助けにもなります。記録をそろえることを、受診の条件にしないでください。

食事改善の結果を待たず、血圧や治療について相談してください

食事を見直していることだけでは、今の血圧が十分に管理できているかは分かりません。健診で受診を勧められた場合や、普段より高い状態が続く場合、気になる症状がある場合は、食事改善の結果が出るまで待たず、医療機関へ相談してください。

家庭血圧の測り方や記録については、家庭血圧の測り方と受診目安で確認できます。測れた範囲の記録、健診結果、使っている薬が分かるものとともに、昼食で困っていることを伝えましょう。

食事を変えたからといって、薬の中止・増減や飲む時間の変更を自分で決めないでください。特に寒くなってからの血圧の変化や薬の見直しについては、冬の血圧と薬の相談ポイントも参照してください。

八丁堀3丁目クリニックでの血圧の相談については、高血圧の診療案内をご確認ください。予約方法や持ち物は初診のご案内で確認できます。

血圧の相談をWeb予約する

冒頭の急ぐ症状がある場合は、通常のWeb予約を待たず、119番を利用してください。

よくある質問

Q.減塩と表示された商品なら、量を気にしなくてもよいですか?

減塩の表示があっても、食塩が含まれないとは限りません。食塩相当量と表示の単位、実際に使う量を確認しましょう。食事制限を指示されている方は、減塩商品についても担当医の指示を優先してください。

Q.外食の食塩量が分からないと、何もできませんか?

正確な量が分からなくても、汁を飲み干さない、追加調味料を使う前に味を見る、別添のたれを使いすぎないなど、見直せる点があります。料理名だけで食塩量を決めつけず、分かることと困っていることを医療機関で相談してください。

Q.昼食を見直せば、血圧の薬はやめられますか?

食事の見直しは管理に役立ちますが、薬が不要になるとは限りません。家庭血圧や持病、治療の経過なども合わせて医師が判断します。自己判断で薬をやめたり、量を変えたりしないでください。

まとめ

外食・コンビニの昼食では、「何を買うか」に加えて、「何当たりの表示か」「一緒に食べるものは何か」「汁や調味料をどう使うか」を確認すると、見直す点が具体的になります。

必要な栄養や食事量を保ちながら、続けやすい変更を考えましょう。食事だけで血圧や治療を判断せず、手元の記録や普段の困りごとをもとに相談してください。

参考情報

執筆・医学監修: 石田 和也(院長)