疾患
貧血 — 鉄欠乏性貧血を中心に原因鑑別・鉄剤治療まで一貫対応
貧血は赤血球やヘモグロビンが減少し、疲れやすさ・動悸・息切れ・めまいなどを引き起こす状態です。中央区八丁堀の八丁堀3丁目クリニックでは、血液検査で原因を鑑別し、鉄欠乏性貧血の鉄剤治療から専門医療機関への連携まで一貫対応。宝町駅A4出口徒歩3分。Web予約・オンライン診療対応。
貧血とは — 定義と種類
貧血は、血液中の赤血球やヘモグロビン(酸素を運ぶ役割を担うタンパク質)が基準値より少なくなった状態を指します。一般的に、男性ではヘモグロビン濃度13.0g/dL未満、女性では12.0g/dL未満が貧血と判定されます。
ヘモグロビンは、肺で取り込んだ酸素を全身の臓器・組織へ運ぶ重要な役割を担っています。ヘモグロビンが減少すると、体内の酸素供給が不足し、疲れやすさ・動悸・息切れ・めまいなどの症状が現れます。
貧血の主な種類
このうち、外来診療で最も多く出会うのは鉄欠乏性貧血です。本ページでは鉄欠乏性貧血を中心に解説し、その他の貧血が疑われる場合の鑑別と専門医療機関への連携についてもご説明します。
- 鉄欠乏性貧血: 体内の鉄が不足することで起こる貧血。最も頻度が高く、貧血全体の60〜80%を占める
- 巨赤芽球性貧血: ビタミンB12または葉酸の欠乏により起こる貧血
- 慢性疾患による貧血: 慢性炎症性疾患・腎疾患・がんなどに伴う貧血
- 溶血性貧血: 赤血球が通常より早く壊されることで起こる貧血
- 再生不良性貧血: 骨髄での血液産生が低下することで起こる貧血
鉄欠乏性貧血が多い背景
鉄欠乏性貧血の有病率は、日本では成人女性の約10〜20%(月経のある世代では特に高い)、成人男性で約2〜5%とされています。月経のある女性層に多いのは、毎月の月経による持続的な鉄の喪失が背景にあります。男性では中年以降に発見された鉄欠乏性貧血は、消化管出血など他の原因を疑う必要がある点で特に重要です。
貧血の症状 — 「なんとなく不調」のサインを見逃さない
貧血の症状は、ゆっくりと進行することが多く、「年齢のせい」「疲れているだけ」と見過ごされがちです。しかし、酸素不足が日常的に続くことで、生活の質が大きく損なわれていることがあります。
貧血の代表的な症状
- 疲れやすい・倦怠感が続く
- 動悸(普段より強い心拍を感じる)
- 息切れ(階段や坂道での呼吸の乱れ)
- めまい・立ちくらみ
- 頭痛
- 顔色が青白い・青ざめた印象
- 爪が割れやすい・スプーン状にへこむ(さじ状爪)
- 髪のパサつき・抜け毛が増える
- 口角炎・舌炎(口の両端が切れる、舌がツルツルする・痛む)
- 氷をやたらと食べたくなる(氷食症)
- 集中力の低下・物忘れ
- 冷え
ヘモグロビンが正常でも症状が出ることがある
注意が必要なのは、ヘモグロビン値が基準値内でも、体内の鉄貯蔵量(フェリチン)が低下している段階で症状が出ることがあるという点です。これは「潜在性鉄欠乏」と呼ばれ、特に女性で症状の原因として見逃されやすい状態です。健診で「貧血なし」と言われていても、疲労感・抜け毛・動悸などの症状が続く場合は、フェリチンを含めた血液検査で評価することをおすすめします。
こんな症状があれば早めの受診を
- 健診で「貧血」「ヘモグロビン低値」を指摘された
- 疲れやすさが数か月続いている
- 階段や坂道で息切れがするようになった
- 急に動いた時に立ちくらみが起きる
- 月経量が多く、月経後に強い疲労感がある
- 便が黒い・血便がある(消化管出血のサインの可能性)
貧血の原因と鑑別 — 鉄欠乏性貧血が最多
貧血を見つけたら、次に重要なのは「なぜ貧血になっているのか」を明らかにすることです。原因によって治療方針が大きく異なるため、原因鑑別は治療と同じくらい重要なステップです。
鉄欠乏性貧血の主な原因
鉄欠乏性貧血は、体内の鉄が不足することで起こります。鉄が不足する原因は、大きく以下の3つに分類されます。
- 鉄の喪失が多い: 月経過多(過多月経)・消化管出血(胃潰瘍・十二指腸潰瘍・大腸ポリープ・大腸がん・痔等)
- 鉄の摂取不足: 偏った食生活(極端なダイエット・野菜中心の食事)・高齢者の食欲低下
- 鉄の需要増加: 妊娠・授乳期・成長期・アスリート
特に注意したいケース:中年以降の男性・閉経後女性の鉄欠乏
月経や妊娠といった「鉄を失う明確な理由」がない男性、または閉経後の女性で鉄欠乏性貧血が見つかった場合、消化管出血など他の原因を慎重に探す必要があります。胃カメラ・大腸カメラなどによる消化管の精査が推奨されることがあり、八丁堀3丁目クリニックでは必要に応じて専門医療機関へご紹介します。
その他の貧血の鑑別
鉄欠乏性貧血以外の貧血が疑われる場合は、血液内科などの専門医療機関へご紹介します。八丁堀3丁目クリニックは、聖路加国際病院・虎の門病院・東京慈恵会医科大学附属病院などへの紹介が可能で、患者さんの居住地・希望に応じた医療機関選択を一緒に考えます。
検査の進め方 — 血算 + 鑑別検査
貧血の評価は、血液検査が中心となります。八丁堀3丁目クリニックでは、貧血の鑑別に必要な血液検査を院内で実施できます。
基本検査:血算(CBC)
血算は、赤血球数・ヘモグロビン濃度・ヘマトクリット値・MCV(平均赤血球容積)などを測定する基本的な血液検査です。ヘモグロビン濃度で貧血の程度を判定し、MCVで貧血の種類を大まかに分類します。
- 小球性貧血(MCV低値): 鉄欠乏性貧血・サラセミア
- 正球性貧血(MCV基準内): 急性出血直後・慢性疾患による貧血・溶血性貧血
- 大球性貧血(MCV高値): ビタミンB12欠乏・葉酸欠乏・甲状腺機能低下症
鑑別検査:目的に応じて追加
- フェリチン: 体内の鉄貯蔵量を反映。鉄欠乏性貧血の診断に最も重要
- 血清鉄・TIBC・トランスフェリン飽和度: 鉄代謝の状態を評価
- ビタミンB12・葉酸: 巨赤芽球性貧血の鑑別
- 腎機能(クレアチニン・eGFR): 腎性貧血の評価
- 炎症マーカー(CRP): 慢性炎症による貧血の評価
便潜血検査
中年以降の男性・閉経後女性で鉄欠乏性貧血が見つかった場合は、消化管出血の有無を確認するため便潜血検査を行います。陽性の場合は、上部消化管内視鏡(胃カメラ)・下部消化管内視鏡(大腸カメラ)による精査を専門医療機関で受けていただきます。
治療 — 鉄剤治療と原因の根本対応
鉄欠乏性貧血の治療は、(1) 鉄剤による鉄補充と (2) 鉄欠乏の原因への対応 の両輪で進めます。鉄剤で一時的に貧血を改善しても、原因が解消されなければ再び貧血になるため、両方が重要です。
経口鉄剤による治療
鉄欠乏性貧血の治療の基本は、経口鉄剤(クエン酸第一鉄ナトリウム・フマル酸第一鉄等)の内服です。1日1〜2回の内服で、ヘモグロビンは1〜2か月で正常化することが多いものの、体内の鉄貯蔵量(フェリチン)を回復させるには、ヘモグロビン正常化後もさらに3〜6か月の継続服用が推奨されます。
鉄剤の副作用と対策
経口鉄剤の代表的な副作用は、消化器症状(吐き気・胃部不快感・便秘・下痢)です。食後に服用する・服用回数を減らす・別の鉄剤に変更するなどの工夫で軽減できることがあります。
それでも経口鉄剤の継続が困難な場合(消化器症状が強い・消化管疾患で吸収が見込めない等)は、鉄剤の点滴(静脈内投与)による治療も選択可能です。八丁堀3丁目クリニックでは、診察により経口剤と点滴のいずれが適切かを判断したうえで治療方針をご提案します。
鉄欠乏の原因への対応
鉄剤治療と並行して、鉄欠乏の原因に対する対応を進めます。月経過多が原因の場合は婦人科への受診をおすすめしています。消化管出血が疑われる場合は、聖路加国際病院・虎の門病院など連携可能な医療機関へご紹介します。食事性の鉄不足の場合は、鉄を多く含む食材の選び方や吸収を高める工夫を医師が直接指導します。
専門医療機関への紹介が必要なケース
紹介先は患者さんの居住地・希望を踏まえて、聖路加国際病院・虎の門病院・東京慈恵会医科大学附属病院などから選択します。
- 鉄剤治療を行っても改善しない貧血
- 複数の血球系統に異常がある(白血球減少・血小板減少を伴う)
- 巨赤芽球性貧血で原因が明らかでない
- 溶血性貧血・再生不良性貧血が疑われる
八丁堀3丁目クリニックでの診療
担当医師
石田和也院長は、内科専門医・公衆衛生学修士(MPH)・高血圧マスタークラス修了の資格を有し、東京女子医科大学病院 高血圧・内分泌内科およびJCHO東京山手メディカルセンター 糖尿病・内分泌内科での臨床経験を踏まえ、貧血を含む内科疾患全般の診療を担当します。
神野晃介副院長は、内科専門医・糖尿病専門医・内分泌代謝科専門医の3つの認定資格を有し、糖尿病・腎機能低下に伴う貧血や、慢性疾患による貧血の評価・治療において連携します。
八丁堀3丁目クリニックで実施可能な治療
経口鉄剤での治療を基本としつつ、消化器症状で内服が続けられない方や、消化管疾患で経口吸収が見込めない方には、鉄剤の点滴による治療を選択することができます。
- 経口鉄剤の処方: 鉄欠乏性貧血の標準治療
- 鉄剤の点滴(静脈内投与): 経口鉄剤の継続が困難な方への選択肢として実施可能
- 食事指導: 鉄を多く含む食材の選び方・吸収を高める工夫を医師が直接指導
オンライン診療での貧血管理
八丁堀3丁目クリニックではオンライン診療にも対応しており、貧血の継続管理にも活用できます。鉄剤服用中の症状確認・処方継続・副作用の相談・食事指導のフォローが可能です。ただし、初診時の血液検査・身体診察、原因鑑別のための精査などはオンラインでは実施できないため、対面受診と組み合わせた運用が基本です。
よくあるご質問
Q. 健診で「貧血」と言われましたが、自覚症状はあまりありません。受診は必要ですか?
A. 貧血はゆっくり進行することが多く、体が低酸素状態に慣れてしまって自覚症状を感じにくくなっていることがあります。健診で指摘された段階で原因を確認することが重要です。特に中年以降の男性や閉経後の女性で貧血が見つかった場合、消化管出血など治療が必要な原因が背景にある可能性があるため、必ず受診することをおすすめします。
Q. ヘモグロビン値は正常なのに、疲労感や抜け毛が続いています。これは貧血ですか?
A. ヘモグロビン値が正常でも、体内の鉄貯蔵量(フェリチン)が低下している「潜在性鉄欠乏」の可能性があります。これは健診の通常検査では見逃されることが多く、フェリチンを含めた血液検査で初めて分かります。疲労感・抜け毛・動悸・冷えなどが続く女性では、フェリチン測定をおすすめします。
Q. 鉄分の多い食事を心がければ、鉄剤を飲まなくても改善しますか?
A. 軽度の鉄欠乏では食事改善で改善することもありますが、すでに貧血を起こしている状態では、食事だけで十分な鉄補充を行うのは困難です。鉄剤と食事の両方で対応するのが基本となります。
Q. 鉄剤を飲み始めたら胃が気持ち悪くなりました。続けられそうにありません。
A. 経口鉄剤の代表的な副作用です。多くの場合、食後に服用する・服用回数を減らす・別の鉄剤に変更するなどの工夫で軽減できます。自己判断で中止せず、まずは医師にご相談ください。それでも経口鉄剤の継続が難しい場合は、八丁堀3丁目クリニックでは鉄剤の点滴(静脈内投与)による治療も選択可能です。
Q. 月経量が多く、毎月貧血になっている気がします。婦人科にも行くべきですか?
A. 月経過多が原因の鉄欠乏性貧血では、月経過多自体への婦人科的な評価・治療が貧血改善の根本となります。子宮筋腫・子宮腺筋症・機能性出血など、婦人科疾患が背景にあることが多くあります。八丁堀3丁目クリニックで貧血の鉄剤治療を行いつつ、近隣の婦人科への受診もあわせておすすめしています。
Q. 鉄剤を飲んでヘモグロビンが正常に戻ったら、すぐに止めていいですか?
A. ヘモグロビンが正常化しても、体内の鉄貯蔵量(フェリチン)を回復させるまでには、さらに3〜6か月の継続服用が推奨されます。自己判断で中止すると貯蔵鉄が不足したまま再発しやすくなります。定期的な血液検査でフェリチンを確認しながら、医師の判断で中止するのが望ましいです。
Q. 貧血の原因が分からない場合はどうなりますか?
A. 鉄欠乏性貧血以外の貧血が疑われる場合や、原因がはっきりしない場合は、血液内科のある専門医療機関へご紹介します。聖路加国際病院・虎の門病院・東京慈恵会医科大学附属病院など、患者さんの居住地や希望に応じた医療機関を選択します。
Q. オンライン診療で貧血の相談はできますか?
A. はい。鉄剤服用中の症状確認・処方継続・副作用の相談などはオンライン診療で対応可能です。ただし、初診時の血液検査・身体診察、原因鑑別のための精査などはオンラインでは実施できないため、対面受診と組み合わせた運用が基本です。
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副院長・内科専門医・糖尿病専門医・内分泌代謝科専門医。糖尿病・内分泌代謝・生活習慣病全般の外来を担当
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