疾患
子どもの皮脂欠乏症・乾燥性湿疹の診療 — 継続的な保湿ケアとアトピー性皮膚炎への移行の見極め
八丁堀3丁目クリニックでは、2022 年 10 月の開院以来、内科・小児科として継続的にお子さまの診療を行っており、皮脂欠乏症・乾燥性湿疹・軽度のアトピー性皮膚炎の初期対応に対応しています。ヘパリン類似物質(保険処方)やワセリンによる保湿指導、かゆみや炎症が強い時期の短期的なステロイド外用、経過のフォローを通じて、慢性化やアトピー性皮膚炎への移行を早期に見極めます。広範囲で難治な場合は、小児科・小児皮膚科の専門医療機関と連携いたします。
八丁堀3丁目クリニックでの診療
保湿剤(ヘパリン類似物質・ワセリン)による基礎治療
皮脂欠乏症・乾燥性湿疹の治療の柱は保湿剤の継続的な使用です。八丁堀3丁目クリニックでは、保険診療でヘパリン類似物質(ヒルドイド等のローション・クリーム・フォーム)を処方しています。広い面積に塗布しやすいローション、乾燥が強い部位に使いやすいクリーム、夏場や背中に使いやすいフォームを、お子さまの年齢と症状の部位に合わせて選択します。白色ワセリンが適している場合もあり、保湿剤は 1 種類にこだわらず、季節や症状に応じて使い分けるご提案をいたします。
炎症が強い時期の短期的なステロイド外用
掻いてしまって赤みやジクジク(滲出)が出ている湿疹には、保湿剤のみでは改善が遅いことがあります。このような時期は、お子さまの年齢と部位に応じた強さのステロイド外用剤を短期間使用し、炎症をしっかり鎮めてから保湿剤による維持療法に切り替える方針(プロアクティブな考え方)をご説明しています。ステロイド外用剤は適切に使えば安全性の高い薬剤ですが、漫然と長期間塗り続けることは推奨されません。塗る量・期間・塗り方については診察時に具体的にお伝えします。
継続フォローとアトピー性皮膚炎への移行の見極め
多くのお子さまは保湿ケアと短期のステロイド外用で改善しますが、一部は湿疹が慢性化・反復し、アトピー性皮膚炎へ移行するケースがあります。八丁堀3丁目クリニックでは、皮疹の経過(左右対称性・慢性化・肘窩や膝窩など関節部位の湿疹)、かゆみの持続、家族のアレルギー素因などを踏まえ、アトピー性皮膚炎としての診療に切り替えるべきタイミングを継続的に見極めます。単発の処方で終わらせず、次回来院時の経過確認までを一連の診療としてお勧めしています。
専門医療機関への連携
広範囲で重症のアトピー性皮膚炎、難治性の湿疹、細菌感染(とびひ)や重度の掻破による皮膚トラブルを合併する場合、またはデュピルマブ等の生物学的製剤による治療が必要と判断される場合は、連携先の小児科専門医療機関(聖路加国際病院小児科等)または小児皮膚科へ速やかにご紹介いたします。クリニックでの継続的なフォローと専門医療機関での集中的な治療を組み合わせる形で、お子さまとご家族の通院負担を最小限にする診療体制を整えています。
皮脂欠乏症・乾燥性湿疹について
皮脂欠乏症とは
皮脂欠乏症(乾皮症)は、皮膚のバリア機能を担う皮脂膜や角質細胞間脂質が不足し、皮膚が乾燥・粉ふき・ひび割れを起こした状態です。子どもは皮膚が薄く皮脂分泌も少ないため、乾燥した季節(秋〜春)や入浴後・空調の効いた環境で悪化しやすい特徴があります。乾燥した状態を放置するとかゆみが強くなり、掻き壊しから湿疹(乾燥性湿疹)へと進行します。
乾燥性湿疹とアトピー性皮膚炎の違い
乾燥性湿疹は乾燥が引き金となって生じる一時的な湿疹で、保湿ケアで改善することが多い状態です。一方、アトピー性皮膚炎は遺伝的な皮膚バリア機能の弱さとアレルギー体質を背景に、かゆみを伴う湿疹が良くなったり悪くなったりを繰り返す慢性疾患で、診断基準として 2 か月以上(乳児は 2 か月以上、それ以外は 6 か月以上)の経過観察が必要とされています。初期には見分けが難しいため、継続的な経過観察のなかで判断していくことになります。
治療の注意点と副作用
ヘパリン類似物質は一般に安全性の高い保湿剤ですが、まれに塗った部位にヒリヒリ感・赤み・かゆみが出ることがあります。その場合は使用を中止し診察をお受けください。ステロイド外用剤は適切に使えば安全ですが、長期間連用すると皮膚萎縮・毛細血管拡張などの副作用が生じる可能性があり、また顔や陰部など吸収のよい部位には弱いランクのものを短期間用いる配慮が必要です。不安な点は遠慮なく診察時にご相談ください。
よくあるご質問
Q. ヘパリン類似物質とワセリン、どちらを使えばよいですか?
A. どちらも保湿効果のある外用薬ですが、特性が異なります。ヘパリン類似物質(ヒルドイド等)は角質層内の水分保持を助ける薬剤で、乾燥が慢性的に続く部位や広範囲への塗布に向いています。白色ワセリンは油分で皮膚表面を覆い水分蒸発を防ぐ保護剤で、口まわりや粘膜近傍などかぶれやすい部位、入浴後の即時保湿などに適しています。実際の診療では、乾燥の強さ・部位・季節に応じて両方を使い分けるご提案をすることが多く、診察時に具体的にお伝えしています。
Q. 入浴やスキンケアで気をつけることはありますか?
A. 熱いお湯(40 度以上)の長湯はバリア機能をさらに低下させるため、38〜40 度程度のぬるめのお湯に短時間浸かるようお勧めしています。ナイロンタオルやボディブラシで強く擦ることは避け、よく泡立てた低刺激の洗浄料を手で優しく洗う方法が基本です。入浴後は 5 分以内にタオルで軽く押さえて水気を取り、すぐ保湿剤を塗ることで、入浴で補給した水分を角質層にとどめやすくなります。
Q. 皮膚科に受診した方がよいのはどのような場合ですか?
A. 保湿剤と短期的なステロイド外用で 1〜2 週間しても改善しない場合、湿疹が体の広範囲に広がる場合、繰り返し再発する場合、細菌感染(とびひ様に黄色い分泌物やかさぶたが広がる)を合併している場合は、小児皮膚科または小児科専門医療機関の受診をお勧めします。八丁堀3丁目クリニックから連携先の医療機関への紹介状を作成いたしますので、まずはご相談いただければと思います。
Q. ヘパリン類似物質の処方量に上限はありますか?
A. ヘパリン類似物質(ヒルドイド等)は保険診療で処方可能ですが、保険審査においては「治療上必要な量」を処方することが求められており、美容目的での大量処方は認められません。実際には、お子さまの体表面積と塗布範囲・頻度から必要量を算出して処方しています。1 か月分の目安量は年齢と塗布部位によって変わりますので、前回処方の残量と使用ペースを診察時にお伺いしながら、次回分を調整する形で対応しています。
Q. 保育園に保湿剤を預けて塗ってもらうことはできますか?
A. 保育園での保湿剤塗布は園の方針により異なりますが、医師の指示書を求められることがあります。八丁堀3丁目クリニックでは、保育園向けの指示書(使用する外用薬名・塗布部位・頻度・注意事項)の作成に対応していますので、必要な場合は診察時にお申し出ください。登園前と帰宅後の家庭での塗布で対応可能な場合も多く、お子さまの生活リズムに合わせた塗布スケジュールのご提案もしております。
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- 院長 石田和也のプロフィール
院長・内科専門医。京都大学医学部卒・MPH 取得。医承会グループ理事長
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副院長・内科専門医・糖尿病専門医・内分泌代謝科専門医。糖尿病・内分泌代謝・生活習慣病全般の外来を担当
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乾燥肌と花粉症・アレルギー性鼻炎はアレルギー体質という共通の背景を持つことが多いです
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乾燥肌のお子様が発熱した場合の診察も、専用の発熱外来で感染症への配慮をしながら対応しています
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アトピー素因のあるお子様のワクチン接種についても、スキンケアを含めて個別に対応します