健康診断の再検査・要精密検査 — 何科を選び、何を持って行くか

健康診断で「再検査」「要精密検査」「要治療」と指摘されたものの、「どれくらい急ぐべきなのか」「何科に行けばよいのか」「何を持って行けばよいのか」が分からず、結果的に放置してしまう方が少なくありません。実際、健診で異常を指摘された方のうち、再受診に至る割合は全体で 50〜60% 程度と言われています。
八丁堀3丁目クリニックにも、1 年以上前の健康診断結果をお持ちになって「ずっと気になっていた」と相談に来られる方がいらっしゃいます。この記事では、健診後の受診を迷っている方に向けて、判定区分の意味と受診の目安を整理してお伝えします。
健康診断の判定区分の意味
健康診断の結果票に書かれる判定区分は、機関によって表記が異なりますが、概ね以下のいずれかに分類されます。
| 判定 | 意味 | 推奨される受診時期 |
|---|---|---|
| A (異常なし) | 問題なし | 次回健診でよい |
| B (軽度異常) | 基準値を少し超えた程度 | 次回健診まで経過観察 |
| C (要経過観察) | 軽度の異常があり、進行に注意 | 3〜6 か月後の再評価 or 医師相談 |
| D (要再検査) | 一時的変動の可能性があり、再度検査が必要 | 1〜2 か月以内 |
| E (要精密検査) | 異常が確定的で、詳しい検査が必要 | 1 か月以内、できれば 2 週間以内 |
| F (要治療) | 治療が必要な状態 | できるだけ早く |
重要なのは、「C (要経過観察) を軽視しないこと」です。C 判定の項目が毎年続いている場合や、前年より悪化している場合は、D / E / F と同等の警戒度で受診することをお勧めします。
特に放置リスクが高い指摘項目
以下の項目で「要再検査」「要精密検査」と指摘された場合は、放置による健康リスクが高いため、早めの受診をお勧めします。
血圧
収縮期血圧 (上の値) が 140 mmHg 以上、または拡張期血圧 (下の値) が 90 mmHg 以上が続く場合は高血圧と診断されます。高血圧の放置は、脳卒中・心筋梗塞・心不全・腎不全のリスクを大きく高めます。
受診先: 内科 / 循環器内科 / 高血圧専門外来
HbA1c・空腹時血糖
HbA1c 6.5% 以上、空腹時血糖 126 mg/dL 以上は糖尿病型と判定されます。糖尿病は合併症 (網膜症・腎症・神経障害) が進行すると、失明・透析・心血管イベントにつながります。
受診先: 内科 / 糖尿病内科 / 糖尿病専門外来
脂質
LDL コレステロール 140 mg/dL 以上 (ただし他のリスク因子の有無により基準値は変動)、中性脂肪 150 mg/dL 以上が続く場合は脂質異常症です。単独ではすぐに症状は出ませんが、動脈硬化を介して心血管イベントのリスクを上げます。
受診先: 内科 / 循環器内科
心電図異常
「ST 異常」「期外収縮多発」「QT 延長」などの所見がある場合は、詳しい評価が必要です。
受診先: 循環器内科
肝機能
AST・ALT・γGTP のいずれかが基準値を大きく超えている場合は、脂肪肝・アルコール性肝障害・ウイルス性肝炎などの鑑別が必要です。
受診先: 内科 / 消化器内科
腫瘍マーカー
CEA・CA19-9・PSA などの腫瘍マーカーに異常がある場合は、画像検査を含む精密検査が必要です。
受診先: 内科 (初診) → 必要に応じて専門診療科へ
何科に行けばよいか迷った場合
「どの診療科に行けばよいか分からない」と迷ったら、まず一般内科への受診をお勧めします。一般内科で総合的な評価を行い、必要に応じて専門科を紹介する、というのが日本の医療のスタンダードです。
八丁堀3丁目クリニックでは、健康診断の結果票をお持ちいただければ、全項目を見渡した上で、診療可能な項目は引き続き対応し、専門的な精査が必要な項目については連携医療機関 (聖路加国際病院など) へご紹介する形で対応しています。
受診時に必ず持参するもの
健康診断後の受診で、持参すべきものは以下の通りです。
必須
- 健康診断の結果票 (原本またはコピー・全ページ)
- マイナンバーカード (マイナ保険証) または資格確認書
あると望ましい
- 過去 2〜3 年分の結果: 数値の推移が分かると診断精度が上がります
- 家庭血圧の記録 (血圧を指摘された方): 1〜2 週間分
- お薬手帳: 現在服用中のお薬がある場合
- 指摘された項目の詳しいデータ: 一部の健診では、結果票に書かれていない詳細データを別途請求できます
受診を先延ばしにしないために
受診を先延ばしにする主な理由として、以下がよく聞かれます。
- 「忙しくて時間が取れない」
- 「症状がないから大丈夫だろう」
- 「薬を飲み始めることになるのが嫌」
しかし、多くの生活習慣病は症状が出る頃には進行しているのが特徴です。特に高血圧・糖尿病・脂質異常症は、合併症が出る前の段階で介入するほうが、長期的な予後が良くなることが多くの研究で示されています。
また、必ずしも初診ですぐに薬が始まるわけではありません。軽症であれば生活習慣の改善から始めるケースも多く、受診して状況を正確に把握すること自体に意味があります。
最後に
健診結果の紙をそのまま引き出しにしまってしまう前に、一度、いま自分がどの判定区分にいるのか、次に何をすべきかを確認してみてください。必要であれば、八丁堀3丁目クリニックにご相談ください。予約時に結果票の写真を添付いただければ、初診がよりスムーズに進みます。
関連ページ
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執筆: 石田 和也(院長)