健康診断の再検査・要精密検査 — 何科を選び、何を持って行くか

健康診断で「再検査」「要精密検査」「要治療」と指摘されたものの、「どれくらい急ぐべきなのか」「何科に行けばよいのか」「何を持って行けばよいのか」が分からず、受診を先延ばしにしてしまうことがあります。
この記事では、健診結果を受け取ってから次の行動を決めるまでの流れを整理します。具体的な受診時期は、結果票に書かれた文言と健診機関の指示を優先してください。
健康診断の判定区分の意味
健康診断の結果票に書かれるA〜Fなどの判定記号は、健診機関によって意味が異なります。たとえば、日本人間ドック・予防医療学会の2026年度判定区分はA〜Eを使用しています。同じ記号でも別の健診機関では意味が異なる場合があります。
記号だけで緊急度を判断せず、次の順に確認してください。
- 結果票の「要再検査」「要精密検査」「要医療」「要治療」などの文言
- 健診機関が指定した受診時期と受診先
- 自覚症状、過去の結果からの変化、数値の程度
症状や著しい高値がある場合は指定された時期を待たず、時期の記載がない場合や判断に迷う場合は早めに医療機関へ相談してください。
特に放置リスクが高い指摘項目
以下の項目で「要再検査」「要精密検査」と指摘された場合は、放置による健康リスクが高いため、早めの受診をお勧めします。
血圧
血圧は運動直後、緊張、測定姿勢などでも変化するため、1回の健診値だけでなく家庭血圧を含めて評価します。高い状態が続くと、脳卒中・心筋梗塞・腎障害などのリスクが高まります。著しい高値に胸痛・呼吸困難・麻痺やろれつの回りにくさ・視覚異常・強い頭痛などを伴う場合は、直ちに119番へ連絡し、救急車を要請してください。症状がない場合は、運動直後や緊張などで一時的に上がることもあるため、まず安静にして測り直し、高値が続く場合は早めに医療機関へ相談してください。
受診先: 内科 / 循環器内科 / 高血圧専門外来
HbA1c・空腹時血糖
HbA1c 6.5% 以上、空腹時血糖 126 mg/dL 以上は糖尿病型と判定されます。糖尿病は合併症 (網膜症・腎症・神経障害) が進行すると、失明・透析・心血管イベントにつながります。
受診先: 内科 / 糖尿病内科 / 糖尿病専門外来
脂質
LDL コレステロール 140 mg/dL 以上 (ただし他のリスク因子の有無により基準値は変動)、中性脂肪 150 mg/dL 以上が続く場合は脂質異常症です。単独ではすぐに症状は出ませんが、動脈硬化を介して心血管イベントのリスクを上げます。
受診先: 内科 / 循環器内科
心電図異常
「ST 異常」「期外収縮多発」「QT 延長」などの所見がある場合は、詳しい評価が必要です。
受診先: 循環器内科
肝機能
AST・ALT・γGTP のいずれかが基準値を大きく超えている場合は、脂肪肝・アルコール性肝障害・ウイルス性肝炎などの鑑別が必要です。
受診先: 内科 / 消化器内科
腫瘍マーカー
CEA・CA19-9・PSA などの腫瘍マーカーは、単独の数値だけでがんを診断する検査ではありません。検査目的、数値の程度、他の検査結果を確認し、必要に応じて画像検査や専門診療科への受診を検討します。
受診先: 内科 (初診) → 必要に応じて専門診療科へ
何科に行けばよいか迷った場合
「どの診療科に行けばよいか分からない」と迷ったら、まず一般内科への受診をお勧めします。一般内科で総合的な評価を行い、必要に応じて専門科を紹介する、というのが日本の医療のスタンダードです。
八丁堀3丁目クリニックでは、健康診断の結果票をお持ちいただければ、全項目を見渡した上で、診療可能な項目は引き続き対応し、専門的な精査が必要な項目については連携医療機関 (聖路加国際病院など) へご紹介する形で対応しています。
受診前に準備するもの
健康診断の結果票は、コメント欄を含む全ページをお持ちください。マイナンバーカード(マイナ保険証)または資格確認書、お薬を服用中の方はお薬手帳もお持ちください。過去の結果や家庭血圧の記録があると、数値の推移を確認できます。
詳しい持ち物は健康診断の結果を持参する際のチェックリストにまとめています。
受診を先延ばしにしないために
受診を先延ばしにする主な理由として、以下がよく聞かれます。
- 「忙しくて時間が取れない」
- 「症状がないから大丈夫だろう」
- 「薬を飲み始めることになるのが嫌」
しかし、多くの生活習慣病は症状が出る頃には進行しているのが特徴です。特に高血圧・糖尿病・脂質異常症は、合併症が出る前の段階で介入するほうが、長期的な予後が良くなることが多くの研究で示されています。
また、必ずしも初診ですぐに薬が始まるわけではありません。軽症であれば生活習慣の改善から始めるケースも多く、受診して状況を正確に把握すること自体に意味があります。
最後に
健診結果の紙をそのまま引き出しにしまってしまう前に、結果票に書かれた文言と指示を確認し、次に何をすべきかを整理してみてください。必要であれば、八丁堀3丁目クリニックにご相談ください。Web予約では結果票の写真を添付できます。
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執筆: 石田 和也(院長)