疾患

痛風・高尿酸血症の診療 — 健診フォローから発作管理まで

八丁堀3丁目クリニック(宝町駅 A4 出口徒歩 3 分・八丁堀駅 B2 出口徒歩 5 分)では、健診で尿酸値が高いと指摘された方、足の親指の付け根に突然の激痛発作を起こした方、再発を繰り返す方の診療を行っています。内科専門医・内分泌代謝科専門医による診療体制で、生活習慣指導と尿酸降下薬による長期管理を提供します。

監修: 石田 和也(院長)公開日: 最終更新日:

高尿酸血症(痛風)とは

高尿酸血症は、血液中の尿酸値が高くなった状態を指し、日本痛風・尿酸核酸学会のガイドラインでは性別を問わず血清尿酸値 7.0mg/dL を超える場合に「高尿酸血症」と定義されています。

高尿酸血症が長く続くと、関節内に尿酸の結晶が析出し、ある日突然激しい痛みを伴う「痛風発作」を起こします。痛風は高尿酸血症の代表的な合併症ですが、ほかにも腎機能障害・尿路結石・動脈硬化との関連が指摘されています。

有病率と当院の患者層

日本では成人男性の約30%が高尿酸血症に該当するとされ、特に30〜50代の男性に多く見られます。働き盛りのオフィスワーカーが「健診で尿酸値が高いと言われた」「お酒を飲んだ翌朝に足の親指がひどく痛む」といったきっかけで受診されるケースが大半です。

痛風・高尿酸血症の主な症状

高尿酸血症は基本的に無症状

健診で尿酸値が高いと指摘されても、ほとんどの方は自覚症状がありません。次の状況に当てはまる方は、放置せず一度ご相談ください。

  • 健診で「尿酸値が高い(7.0mg/dL以上)」と指摘された
  • 健診結果の生化学検査で「UA」「尿酸」の項目が要再検査・要医療になっている
  • 過去に痛風発作を経験している
  • 家族に痛風の方がいる
  • ビールや日本酒など、お酒をよく飲む
  • レバー・干物・魚卵などプリン体の多い食品を好む

痛風発作が起こったら

痛風発作は、ある日突然始まる強烈な関節痛が特徴です。

  • 足の親指の付け根(第一中足趾節関節)が突然激しく痛む(もっとも頻度が高い)
  • 関節が真っ赤に腫れて熱を持つ
  • 触れるだけ・歩くだけで痛い
  • 夜中や明け方に発症するケースが多い
  • 1〜2週間で自然に治まる
  • 足首・膝・手の関節など、ほかの関節に出ることもある

慢性化のサイン

「布団がかかるだけで激痛」「靴下が履けない」「歩行困難」といった症状で受診される方が多く、初回発作は男性で30〜50代に集中します。慢性化すると関節の変形や腎機能障害につながるため、早めの治療開始が重要です。

  • 発作を年に2回以上繰り返す
  • 関節周囲に「痛風結節」と呼ばれる白いしこりができる
  • 発作が起こる関節が増えてくる

痛風・高尿酸血症の原因・リスク因子

尿酸は、体内のプリン体が分解されてできる老廃物です。「作られる量」と「排泄される量」のバランスが崩れることで尿酸値が上がります。

食事・生活習慣に関わる要因(改善可能)

  • アルコールの過剰摂取(特にビール・日本酒)
  • プリン体の多い食品の過剰摂取(レバー・干物・魚卵・煮干し・濃いだし)
  • 果糖の過剰摂取(清涼飲料水・スイーツ)
  • 肥満(内臓脂肪型肥満)
  • 激しい運動(無酸素運動)
  • 水分不足

変えられない要因

  • 性別(男性が圧倒的に多い・女性ホルモンに尿酸排泄促進作用があるため)
  • 加齢
  • 家族歴

関連疾患・薬剤

働き盛りのオフィスワーカー(中央区・八丁堀エリアでは特に多いターゲット層)では、外食頻度・アルコール量・運動不足が複合的に絡んで尿酸値が上がるケースが目立ちます。

  • メタボリックシンドローム: 内臓脂肪型肥満・インスリン抵抗性が尿酸値を上昇させる
  • 高血圧・脂質異常症: 高尿酸血症と合併しやすく、動脈硬化リスクを総合的に高める
  • 慢性腎臓病: 尿酸の排泄が低下し尿酸値が上がる
  • 一部の利尿薬・少量のアスピリン: 尿酸値を上げることがある

八丁堀3丁目クリニックでの痛風・高尿酸血症の診断方法

血液検査

血清尿酸値の測定を中心に、合併症や鑑別のために次の項目を評価します。健診で尿酸値高値を指摘された方は、結果をお持ちのうえご来院ください。直近の健診結果があれば、その値を起点に治療方針をご提案できます。

  • 血清尿酸値(UA)
  • 腎機能(クレアチニン・eGFR・尿素窒素)
  • 血糖・HbA1c
  • 脂質(LDL・HDL・中性脂肪)
  • 肝機能

尿検査

  • 尿酸排泄量・尿pHの確認(高尿酸血症のタイプ分類に有用)
  • 尿沈渣(尿路結石の有無の参考)

痛風発作中の診断

発作中の関節は、特徴的な所見(片側の急性激痛・発赤・腫脹)と血液検査・問診で診断するケースが多いです。関節液の鏡検が必要な場合は連携医療機関へ紹介します。

鑑別診断

足の親指の付け根の激痛は、まれに偽痛風(関節液中のピロリン酸カルシウム結晶)や蜂窩織炎・外反母趾の急性増悪と紛らわしいことがあります。当院では症状経過・採血所見をもとに鑑別を行います。

合併症スクリーニング

高尿酸血症の方は心血管リスクが高い傾向があり、必要に応じて動脈硬化検査(ABI/CAVI)も含めた評価を行い、生活習慣病全体としての管理方針を決めます。

八丁堀3丁目クリニックでの痛風・高尿酸血症の治療方法

治療の基本方針

高尿酸血症の治療は次の2段階に分けて考えます。

  • 痛風発作が起きている時 — 痛みと炎症を抑える「発作期治療」
  • 発作がおさまった後・無症候性高尿酸血症 — 尿酸値を下げて再発・合併症を防ぐ「長期管理」

痛風発作の治療(発作期)

「布団がかかるだけで痛い」状態は発作のピーク時で、適切な薬を早期に使うことで痛みの期間を短縮できます。発作が起きたらできるだけ早めに受診をお勧めします。

  • NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)の短期集中投与
  • コルヒチン(発作の予兆期や軽症例に有効)
  • 重症例ではステロイドの内服・関節内注射を検討
  • 発作中は尿酸値を急に下げる薬は開始しません(むしろ発作を悪化させるため)
  • 患部のアイシング・安静

長期管理(尿酸値コントロール)

発作期を脱した後は、尿酸値を目標値以下にコントロールし、再発と合併症を予防します。

  • 食事指導(プリン体・アルコール・果糖の過剰摂取を避ける)
  • 水分摂取の励行(1日2リットル以上を目標・腎機能に応じて調整)
  • 適度な運動(有酸素運動を中心に)
  • 体重管理(BMI 25未満を目標)
  • 尿酸生成抑制薬(アロプリノール・フェブキソスタット・トピロキソスタット)
  • 選択的尿酸再吸収阻害薬(ドチヌラド)
  • 尿酸排泄促進薬(ベンズブロマロン)
  • 治療目標値: 血清尿酸値 6.0mg/dL 以下を目安(痛風結節がある方はさらに低く)

通院頻度

薬の調整中は1〜2か月に1回、安定後は3〜6か月に1回の通院が一般的です。継続治療はオンライン診療にも対応しており、お忙しい方でも治療を続けやすい体制を整えています。

関連疾患の同時管理

高尿酸血症は高血圧・脂質異常症・メタボリックシンドロームと合併する頻度が高く、合併すると動脈硬化や心血管イベントのリスクが大きく上がります。当院では尿酸だけを見るのではなく、生活習慣病全体を一緒に管理する診療を行っています。

よくあるご質問

Q. 健診で「尿酸値が高い」と言われました。症状はありませんが、すぐ受診すべきですか?

A. 無症状でも一度ご相談いただくことをお勧めします。尿酸値が 7.0mg/dL を超えている方は、いつ痛風発作を起こしてもおかしくない状態です。さらに 8.0mg/dL を大きく超える方や、すでに高血圧・脂質異常症・糖尿病をお持ちの方では、早めの治療介入で発作と合併症の両方を防ぐことができます。八丁堀3丁目クリニックでは健診結果と問診をもとに、生活指導から始めるか薬物療法を併用するかを患者さんごとに判断します。

Q. 痛風発作が起きました。すぐに尿酸を下げる薬を飲んだほうがいいですか?

A. 発作中に尿酸値を急に下げる薬を始めると、かえって発作が悪化することが知られています。発作中はまず痛みと炎症を抑える薬(NSAIDsやコルヒチン)で症状を抑え、発作が完全に治まってから尿酸降下薬を導入するのが原則です。すでに尿酸降下薬を服用中の方は、発作中も中断せずに続けるのが現在のガイドラインの方針です。自己判断で薬の調整をせず、受診のうえで方針をご相談ください。

Q. 痛風は治りますか? 一度なったら一生薬を飲み続けないといけませんか?

A. ケースバイケースです。生活習慣の改善で尿酸値が安定的に目標値以下を維持できる方は、医師の判断で薬を減量・中止できる場合もあります。一方で、発作を繰り返す方・痛風結節がある方・高度の高尿酸血症の方は、長期に薬を継続することで発作と合併症のリスクを大きく下げられるため、服用継続を推奨します。「一生」と決めつけず、定期的な採血で経過を見ながら一緒に方針を決めていきます。

Q. ビールはダメで、焼酎ならいくら飲んでもいいって本当ですか?

A. アルコール飲料の中ではビール・日本酒がプリン体含有量が多く、焼酎・ウイスキーは少ないのは事実です。ただしアルコール自体に尿酸値を上げる作用と尿酸の排泄を妨げる作用があるため、「焼酎なら大丈夫」というのは誤解です。種類を問わず、純アルコールで男性20g/日(ビール中瓶1本程度)・女性10g/日以下が目安です。減らす方向と休肝日の確保が、尿酸管理にはより効果的です。

Q. プリン体の多い食事を完全にやめれば治りますか?

A. 食事だけで尿酸値を大きく下げるのは難しいケースが多いです。体内で作られる尿酸の約8割は食事からではなく体内のプリン体代謝が源で、食事由来は約2割とされています。極端なプリン体制限よりも、アルコール量・果糖の摂取・適正体重・水分摂取量を整えるほうが結果につながりやすいです。八丁堀3丁目クリニックでは患者さんの食生活をうかがったうえで、現実的な改善策をご提案します。

Q. 尿酸が高いと、痛風以外にどんな影響がありますか?

A. 高尿酸血症は痛風発作以外にも、尿路結石・腎機能障害・動脈硬化との関連が指摘されています。特に高血圧・糖尿病・脂質異常症をお持ちの方は、心筋梗塞・脳梗塞のリスクが総合的に高まる傾向があるため、尿酸値も含めた生活習慣病全体の管理が大切です。

Q. オンライン診療で痛風の継続治療は可能ですか?

A. 尿酸値が安定している継続治療のオンライン診療に対応しています。直近の血液検査結果をもとに薬の調整を行い、処方箋をご自宅近くの薬局へ送付します。ただし、初診の方や採血を含む定期検査が必要なタイミング、発作が起きた時には対面での受診をお願いしています。

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参考文献

  1. 日本痛風・尿酸核酸学会「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版」, 2018 [Link]