疾患
脂質異常症の診療 — 健診フォローから動脈硬化リスク管理まで
八丁堀3丁目クリニック(宝町駅 A4 出口徒歩 3 分・八丁堀駅 B2 出口徒歩 5 分)では、健康診断でLDLコレステロールや中性脂肪の異常を指摘された方の精密検査・治療を行っています。内分泌代謝科専門医・内科専門医による診療体制で、生活習慣の改善指導から薬物療法、動脈硬化検査(ABI/CAVI)まで、患者さんごとのリスクに応じた診療を提供します。
脂質異常症とは
脂質異常症は、血液中の脂質(コレステロール・中性脂肪)の値が基準から外れた状態を指します。日本動脈硬化学会の「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版」では、空腹時採血で以下のいずれかに該当する場合に脂質異常症と診断されます。
- LDLコレステロール 140mg/dL 以上(高LDLコレステロール血症)
- HDLコレステロール 40mg/dL 未満(低HDLコレステロール血症)
- トリグリセライド(中性脂肪) 150mg/dL 以上(空腹時高トリグリセライド血症)または 175mg/dL 以上(随時採血)
- Non-HDLコレステロール 170mg/dL 以上(高Non-HDLコレステロール血症)
有病率と放置のリスク
日本人成人の約2,200万人が脂質異常症に該当すると推定され、生活習慣病の中でも有病率の高い疾患です。自覚症状はほぼなく、健康診断で初めて指摘されるケースが大半です。放置すると動脈硬化を進行させ、心筋梗塞・脳梗塞・狭心症など命に関わる疾患の引き金になります。
脂質異常症の主な症状
脂質異常症は基本的に無症状で進行します。次のような状況に当てはまる方は、一度ご相談ください。
- 健診で「LDLコレステロールが高い」「中性脂肪が高い」と指摘された
- 健診結果で「要再検査」「要医療」と書かれた項目に脂質関連が含まれている
- 家族に心筋梗塞や脳梗塞を経験した方がいる
- 高血圧や糖尿病を指摘されている
- まぶたや肘・膝などに黄色い盛り上がり(黄色腫)がある
- アキレス腱が太く感じる(アキレス腱肥厚)
家族性高コレステロール血症の可能性
「黄色腫」「アキレス腱肥厚」が見られる方は、遺伝性の家族性高コレステロール血症の可能性があります。健診で指摘された方は、症状がなくても放置せず一度受診をお勧めします。
脂質異常症の原因・リスク因子
脂質異常症の多くは、複数の生活習慣と体質が組み合わさって生じます。
生活習慣に関わる要因(改善可能)
- 動物性脂肪(バター・脂身の多い肉)の過剰摂取
- 糖質・アルコールの過剰摂取(中性脂肪上昇の主因)
- 食物繊維の不足
- 運動不足
- 肥満(BMI 25以上)
- 喫煙(HDLコレステロールを低下させる)
変えられない要因
- 加齢(女性は閉経後にLDLが上昇)
- 家族歴(家族性高コレステロール血症は約500人に1人)
- 性別(閉経前は女性のほうが低リスク、閉経後は性差が縮小)
二次性脂質異常症(他の疾患による)
特に甲状腺機能低下症は隠れた原因として見落とされやすく、八丁堀3丁目クリニックでは脂質異常症と診断する際に甲状腺機能の評価も行います。
- 甲状腺機能低下症
- ネフローゼ症候群・慢性腎臓病
- 糖尿病
- ステロイド薬の長期服用
八丁堀3丁目クリニックでの脂質異常症の診断方法
血液検査
空腹時採血で次の項目を測定します。空腹時の採血が困難な方は、随時採血での評価方法もご相談ください。
- LDLコレステロール
- HDLコレステロール
- トリグリセライド(中性脂肪)
- Non-HDLコレステロール
- 総コレステロール
動脈硬化リスクの評価
脂質異常症の治療目標値は、年齢・性別・他のリスク因子(高血圧・糖尿病・喫煙・家族歴 等)によって異なります。八丁堀3丁目クリニックでは「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版」に準拠した動脈硬化リスク評価ツールで総合リスクを評価し、患者さんごとに適切な治療目標を設定します。
二次性脂質異常症の鑑別
初診時には甲状腺機能・腎機能・肝機能・血糖値の確認も行い、ほかの疾患が背景にないかを評価します。原因疾患があれば、その治療を優先することで脂質値が改善するケースもあります。
動脈硬化の進行評価
すでに動脈硬化が進行している可能性がある方には、動脈硬化検査(ABI/CAVI)で血管年齢を評価します。心電図検査・頸動脈エコー検査も必要に応じて行います。
八丁堀3丁目クリニックでの脂質異常症の治療方法
治療の基本方針
脂質異常症の治療は、まず生活習慣の改善から始めます。生活習慣の改善で目標値に達しない場合や、すでに動脈硬化が進行している方・心筋梗塞や脳梗塞の既往がある方には薬物療法を併用します。八丁堀3丁目クリニックでは、神野副院長が日本内分泌学会認定 内分泌代謝科専門医として代謝疾患全般の診療を担当し、石田院長も東京女子医科大学病院 高血圧・内分泌内科での臨床経験を活かして連携し、患者さんごとに最適な治療プランをご提案します。
食事療法
患者さんの食生活をうかがい、無理なく続けられる範囲での改善をご提案します。
- 飽和脂肪酸の摂取制限(脂身の多い肉・バター・洋菓子を控える)
- 食物繊維の積極的摂取(野菜・海藻・きのこ類)
- 青魚(EPA・DHA)の摂取
- 糖質・アルコールの過剰摂取を控える(中性脂肪が高い方)
- コレステロールの多い食品(卵黄・レバー・魚卵)の摂取量に注意
運動療法
有酸素運動を週150分以上行うことで、HDLコレステロールの上昇と中性脂肪の低下が期待できます。ウォーキング・水泳・サイクリングなど、無理なく継続できる運動をお勧めします。
薬物療法
患者さんの脂質パターン・合併症・既往歴を踏まえて薬剤を選択します。副作用や薬剤費を踏まえた薬剤選択を、診察で丁寧に説明します。
- スタチン系(LDLコレステロール低下の第一選択)
- エゼチミブ(腸管からのコレステロール吸収抑制)
- フィブラート系・選択的PPARαモジュレーター(中性脂肪が高い方)
- EPA・DHA製剤(中性脂肪低下・抗炎症作用)
- PCSK9阻害薬(家族性高コレステロール血症や心血管イベント既往例)
通院頻度
開始から3-6か月は1か月に1回、安定後は2-3か月に1回の通院が目安です。継続治療はオンライン診療にも対応しており、お忙しい方でも治療を続けやすい体制を整えています。
関連疾患の同時管理
脂質異常症は高血圧・糖尿病と合併しやすく、合併すると動脈硬化の進行が加速します。八丁堀3丁目クリニックでは生活習慣病をまとめて長期管理することで、心筋梗塞・脳梗塞のリスクを総合的に下げる診療を行っています。
よくあるご質問
Q. 健診で「LDLコレステロールが高い」と言われました。すぐに薬を飲む必要がありますか?
A. 必ずしもすぐに薬物療法が必要というわけではありません。LDLコレステロールの治療目標は、年齢・性別・他のリスク因子の有無で異なります。例えば、若くて他に疾患がない方は生活習慣の改善から始めることが多く、一方で糖尿病や高血圧をお持ちの方、過去に心筋梗塞を経験した方は早めの薬物療法を検討します。八丁堀3丁目クリニックでは健診結果と問診をもとに、患者さんごとに適切な治療方針をご提案します。
Q. 脂質異常症は放置するとどうなりますか?
A. 脂質異常症の最大のリスクは動脈硬化の進行です。LDLコレステロールが高い状態が続くと、血管の内側にコレステロールが蓄積してプラークができ、血管が狭くなったり詰まったりします。その結果、狭心症・心筋梗塞・脳梗塞・大動脈解離など命に関わる疾患を引き起こす可能性が高まります。自覚症状がほぼないため気付きにくいですが、健診で指摘された段階で治療を始めることで、これらのリスクを下げられます。
Q. コレステロールの薬は一生飲み続けないといけませんか?
A. ケースバイケースです。生活習慣の改善でLDLコレステロールが目標値まで下がり、その状態が安定して維持できれば、医師の判断で薬を減量・中止することもあります。ただし、家族性高コレステロール血症や心筋梗塞・脳梗塞の既往がある方は、薬を継続することで再発リスクを大きく下げられるため、長期服用を推奨することが多いです。自己判断で中止せず、定期的に医師と相談しながら方針を決めましょう。
Q. 中性脂肪だけが高いと言われました。コレステロールが正常ならあまり気にしなくてよいですか?
A. 中性脂肪(トリグリセライド)のみが高い方も注意が必要です。中性脂肪が高いと、HDLコレステロール(善玉)が低下しやすく、間接的に動脈硬化リスクが上がります。また中性脂肪が500mg/dLを大きく超える場合は、急性膵炎を引き起こす可能性があります。糖質・アルコールの過剰摂取・肥満が主な原因で、生活習慣の改善で比較的下がりやすい指標です。気になる方はぜひ一度ご相談ください。
Q. 家族に心筋梗塞や脳梗塞を経験した人がいます。脂質異常症のリスクは高いですか?
A. 家族歴は脂質異常症と動脈硬化性疾患の重要なリスク因子です。特に若くして心筋梗塞や脳梗塞を経験された家族(男性55歳未満・女性65歳未満)がいる場合は、家族性高コレステロール血症の可能性も含めて評価をお勧めします。八丁堀3丁目クリニックでは家族歴をうかがったうえで、必要に応じて追加検査をご提案します。
Q. オンライン診療で脂質異常症の治療は可能ですか?
A. 継続治療のオンライン診療に対応しています。直近の血液検査結果をもとに薬の調整を行い、処方箋をご自宅近くの薬局へ送付します。ただし、初診の方や採血を含む定期検査が必要なタイミングでは対面での受診をお願いしています。具体的な利用方法についてはオンライン診療のページをご覧ください。
Q. 健診結果を持参すれば、再度の血液検査は不要ですか?
A. 直近(おおむね3か月以内)の健診結果があれば、それをもとに診療方針を決めることが可能です。ただし、二次性脂質異常症の鑑別のため、甲状腺機能や腎機能などの追加採血をお願いするケースがあります。また、初診時に治療方針を決めた後は、八丁堀3丁目クリニックでの経過観察のため定期的な血液検査をお願いしています。健診結果はぜひお持ちください。
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