症状

便秘が続く — 考えられる原因・受診の目安・何科を受診すべきか

便秘が数週間以上続く、または繰り返す場合、食事や生活リズムの影響だけでなく、服用中の薬の影響、甲状腺機能低下症や糖尿病などの病気、まれに大腸の病気が隠れていないかを評価します。血便や体重減少などのサインがある場合は早めの受診が必要です。八丁堀3丁目クリニックでは、内科で問診・腹部診察・血液検査・腹部X線検査により評価し、大腸内視鏡検査が必要な場合は連携医療機関へ紹介します。

監修: 石田 和也(院長)公開日: 最終更新日:

こんな症状ありませんか?

以下のような状態が続いている方は、生活習慣の調整だけでなく、背景に評価が必要な原因がある可能性があります。市販の下剤で我慢し続けるのではなく、受診をご検討ください。

  • 排便が週に3回未満しかない
  • 便が硬く、強くいきまないと出ない
  • 排便のあとも便が残っている感じ(残便感)がある
  • お腹が張って苦しい、食欲が落ちる
  • 市販の下剤が手放せない、または量が増えている
  • 便秘と下痢を繰り返す
  • 朝食を抜くことが多い、忙しくて便意を我慢しがち
  • 健診で貧血や便潜血陽性を指摘されたことがある

考えられる原因・疾患

便秘の多くは、食事・水分・運動などの生活習慣や腸の働きの変化による機能性の便秘(慢性便秘症)です。一方で、服用中の薬の影響、甲状腺機能低下症や糖尿病などの全身の病気、まれに大腸の病気が背景にあることもあります。症状だけで原因を決めつけず、経過と診察から判断します。

機能性便秘(慢性便秘症)

大腸や直腸の働きの変化により、便を十分に、快適に出しきれない状態です。食物繊維や水分の不足、運動不足、朝食を抜く習慣、便意を我慢することなどが誘因になります。デスクワークが中心で朝の時間に余裕がない働く世代にも多く、加齢とともに頻度が高くなり、女性に多い傾向があります。

薬の影響による便秘(薬剤性便秘)

服用中の薬が便秘の原因になっていることがあります。代表的なものに、医療用麻薬を含む一部の痛み止めや咳止め、抗コリン作用のある薬(頻尿の薬・一部の抗うつ薬など)、一部の血圧の薬、鉄剤などがあります。自己判断で中止せず、受診の際はお薬手帳をお持ちください。

甲状腺機能低下症

甲状腺ホルモンの分泌が低下すると腸の動きも低下し、便秘が現れることがあります。疲労感・寒がり・むくみ・体重増加などを伴う場合は、血液検査(TSH・FT4)で評価します。八丁堀3丁目クリニックでは甲状腺の血液検査を院内で実施しています。

甲状腺疾患の詳しい解説と八丁堀3丁目クリニックでの診療

慢性疲労の診療

糖尿病に伴う便秘

糖尿病が長く続くと、腸の動きを調節する自律神経の障害により便秘がみられることがあります。のどの渇き・多尿・体重減少などを伴う場合や、健診で血糖の指摘がある場合は、血糖の評価と合わせて診療します。

糖尿病の詳しい解説と八丁堀3丁目クリニックでの診療

大腸がんなどの器質的な病気

大腸のがんや狭窄などにより便の通り道が狭くなると、便秘・便が細くなる・血便などが現れることがあります。頻度は高くありませんが、50歳以上で初めて便秘になった場合や、血便・貧血・意図しない体重減少を伴う場合は、大腸内視鏡検査による評価が推奨されます。八丁堀3丁目クリニックでは、必要に応じて専門医療機関へご紹介します。

受診の目安 — いつ病院に行くべきか

上記の救急受診のサインがなくても、以下に該当する場合は放置せず、内科または消化器内科へご相談ください。とくに血便・体重減少・貧血などのサインを伴う便秘は、大腸の病気の評価が必要なことがあります。

  • 血便が出た、便に血が混じる、便が黒っぽい
  • 意図しない体重減少がある(半年で2〜3kg以上)
  • 50歳以上で初めて便秘になった、または便通が急に変化した
  • 便が細くなった
  • 健診で貧血や便潜血陽性を指摘された
  • 市販の下剤を数週間以上使っても改善しない、または量が増えている
  • 便秘と下痢を繰り返す

便秘は何科を受診すればよいか

続く便秘は、内科または消化器内科で評価できます。八丁堀3丁目クリニックでは内科で問診・腹部診察を行い、必要に応じて血液検査や腹部X線検査で、薬の影響や全身の病気が隠れていないかを調べます。

血便などの警告サインがある場合や、診断・治療のために大腸内視鏡検査が必要な場合は、聖路加国際病院や東京慈恵会医科大学附属病院との連携でスムーズにご紹介します。

お子さんの便秘は、小児科でもご相談いただけます。

八丁堀3丁目クリニックでの診療の流れ

八丁堀3丁目クリニック(東京都中央区八丁堀3-2-5 八丁堀医療ビル2F)は、宝町駅徒歩2分、八丁堀駅・京橋駅徒歩5分、新富町駅徒歩7分の4駅からアクセスできます。平日は19:00まで診療しており、Web予約・LINE予約に対応しています。数週間以上続く便秘や、下剤が手放せない状態を、以下の流れで対面評価します。

1. 初診・問診(約15〜20分)

排便の回数・便の硬さ・いきみや残便感の有無・便意を感じるか・服用中の薬(お薬手帳をご持参ください)・市販の下剤の種類と使用状況・食事や生活リズム・体重の変化をお伺いします。Web予約またはLINE予約に対応しています。

2. 検査

問診と腹部診察の結果に応じて、以下の検査から必要なものを選びます。

  • 血液検査: 甲状腺機能(TSH・FT4)・貧血・電解質・血糖/HbA1c・腎機能等の評価
  • 腹部X線検査: 腸内の便やガスの貯留の程度、腸閉塞を疑う所見がないかの評価

3. 診断・治療方針のご説明

検査結果をもとに便秘のタイプと背景疾患の有無を判断し、生活習慣の調整と薬物療法を組み合わせて治療方針をご説明します。薬は、酸化マグネシウムなどの浸透圧性下剤を基本に、刺激性下剤は連用を避けて頓用とし、新しいタイプの便秘治療薬も状態に応じて使い分けます。酸化マグネシウムを長く使う場合は、腎機能や血中マグネシウム値を血液検査で確認することがあります。

  • 機能性便秘: 食物繊維・水分・朝食後の排便習慣・運動などの生活調整と、便の硬さに応じた薬の調整
  • 薬の影響が疑われる場合: 処方元の医療機関と連携し、原因となる薬の調整を検討
  • 甲状腺機能低下症・糖尿病などが見つかった場合: 便秘と分けて、それぞれの診断に基づいて治療
  • 警告サインがある場合: 大腸内視鏡検査を連携医療機関へ紹介

4. 必要に応じた再評価・紹介

治療後の経過を確認し、便通・お腹の張り・下剤の使用量の変化を評価します。十分に改善しない場合、診断が難しい場合、大腸内視鏡検査や専門治療が必要な場合は、連携医療機関へ紹介します。

考えられる主な疾患

甲状腺疾患

便秘は甲状腺機能低下症の症状のひとつです。疲労感・寒がり・むくみを伴う場合は血液検査(TSH・FT4)で評価します。

糖尿病

糖尿病に伴う自律神経の障害で便秘がみられることがあります。血糖の評価と合わせて診療します。

よくあるご質問

Q. 便秘はどのくらい続いたら病院に行くべきですか?

A. 排便も排ガスも止まって強い腹痛や嘔吐を伴う場合や、大量の血便が出た場合は救急受診してください。救急のサインがなくても、血便・意図しない体重減少・50歳以上で初めての便秘・便が細くなったなどのサインがある場合は早めの受診をお勧めします。数週間以上続く便秘や、市販の下剤を使っても改善しない場合もご相談ください。

Q. 便秘は何科を受診すればいいですか?

A. 内科または消化器内科で評価できます。八丁堀3丁目クリニックでは内科で問診・腹部診察・血液検査・腹部X線検査により評価し、大腸内視鏡検査が必要な場合は連携医療機関へ紹介します。お子さんの便秘は小児科でもご相談いただけます。

Q. 市販の便秘薬を飲み続けても大丈夫ですか?

A. 種類によります。センナなどの刺激性下剤を毎日のように長期間使い続けると、効きにくくなり量が増えていくことがあります。市販薬を数週間以上使っても改善しない場合や、量が増えている場合は、薬の種類と使用状況を医師に伝えて相談してください。自己判断で急にやめる必要はありませんが、便の硬さに応じた薬へ整理することで、下剤への依存を減らせることがあります。

Q. 便秘の検査ではどんなことをしますか?

A. 問診と腹部診察を行い、必要に応じて血液検査(甲状腺機能・貧血・電解質・血糖・腎機能等)と腹部X線検査(便やガスの貯留の評価)を院内で実施します。

大腸内視鏡検査は院内では実施できませんが、血便などの警告サインがある場合や精査が必要な場合は、聖路加国際病院や東京慈恵会医科大学附属病院との連携でご紹介します。

Q. 便秘の背景にある可能性がある病気は何ですか?

A. 多くは生活習慣や腸の働きの変化による機能性便秘(慢性便秘症)です。ほかに、服用中の薬の影響、甲状腺機能低下症、糖尿病に伴う便秘などを評価する場合があります。頻度は高くありませんが、50歳以上での新しい便秘や血便・体重減少・貧血を伴う場合は、大腸がんなどの器質的な病気の評価が必要です。

Q. 便秘を改善するために生活で気をつけることはありますか?

A. 食物繊維(野菜・海藻・きのこ・果物など)と水分を十分にとること、朝食を食べて胃腸のリズムをつくること、便意を感じたら我慢せずトイレに行くこと、適度な運動を続けることが基本です。とくに朝食後は腸が動きやすい時間帯のため、時間に余裕を持って排便の習慣をつくることをお勧めします。生活の調整だけで改善しない場合は、薬物療法を組み合わせますのでご相談ください。

参考文献

  1. 日本消化管学会「便通異常症診療ガイドライン2023—慢性便秘症」, 2023 [Link]